世界のはじまり

子供たちに世界への関心を持ってもらうために

(第一回)この世界の捉え方(科学・哲学・宗教)

 この世界のことに少しでも関心を持ってもらいたい。生きていく知恵を養ってもらいたい。知らなくても(たぶん)人生で困ることはないけど、知らないともったいない。そもそも、この世界っていったい何だろう。そんなことを少しずつ一緒に探究していきたいと思います。

 

この世界って分からないこと、不思議なことがいっぱいですよね?

 

今のように科学が発達する以前は、例えば進化論の考え方が無かったので人間は神が創造したとの考え方が一般的でした。また地球は平らと考えられていました(丸かったら北極点以外は地球から落ちてしまう…)。しかし現代人は人間がサルから進化したことや、地球は球状で重力により地面にへばりついていることを知っています。

※厳密には諸説あり。進化論を否定する人や、地球平面説を唱える人もいます。

 

人は知らないことを知りたい、この世界がどの様にできているのかを知りたい、という根本欲求があります。では今回はこの”人が知ろうとする考え方”を体系的に見ていきましょう。

 

いきなりですが、この”知ろうとする考え方”の構図を表すと以下となります。

    

 

①科学とは

再現性があること 

 実験結果がほかの人でも再現(確認)できることです。

反証可能性があること 

 反証とは「ある仮説の間違いを証明すること」です。つまり「ここ間違ってるね」と  

 言えることです。なので「神や幽霊がいる」を反証すると「神や幽霊はいない」とな 

 りますが、いないことを証明することができないので科学的の対象にはなりません。

 

②哲学とは

 ものごと根本的な原理を言葉や文章でわかりやすく説明できるように追求していく学

 問です。

 

③宗教とは

 神を(無条件に)信じることを前提としています。基本的には哲学と一緒ですが最後 

 にラスボス的に”神”が登場して全てを解決してくれます。

 

これまでの歴史

  1. 科学や哲学が発達する以前は、自然界の事象も全て神様を中心として考えられていました。日照りが続いたり、雨が降ったり皆既日食が起きるのも神の行いでした。ギリシャ神話もこの世界の事象を神々の仕業として説明していました。
  2. ギリシャ哲学は紀元前500年頃に始まったとされています。古代ギリシャ哲学は「万物の根源は何か?」を考えることから始まりました。タレス!と答え、アナクシメネス空気!と答え、エンペドクレスは土・水・火・風の四元素と答えました。デモクリトスはそれ以上分割できないという意味でアトム(原子)と名づけ、それらの組み合わせで世界ができていると考えました(これは鋭い!)。当時は科学が未発達だったので哲学と科学は一緒の扱いでした。
  3. 中世ヨーロッパでは哲学の力で神の存在を証明しようとしました(スコラ哲学と呼ばれています)。この期間、哲学・科学の発展は低迷期となります。
  4. ルネサンス期になると哲学が活気付きます。デカルトは「我思う故に我あり」のフレーズを残しつつxy座標(デカルト座標)を考案します。同じくフランスの哲学者ライプニッツは独自に微分積分を考案します(ほぼ同じタイミングでニュートンも考案、わずかにニュートンの方が発表が早かったため微分積分を体系化したのはニュートンの手柄となっています)。これら数学の業績も科学の発展に大いに貢献しました。この時代に於いても未だ哲学と科学は融合していました。
  5. 一方で科学も大きく発展します。ルネサンス三大発明(火薬・羅針盤活版印刷)、ガリレオによるピサの斜塔での落下実験、コペルニクスが地動説を唱え、ケプラーが惑星の運動法則を発見、そしてニュートン万有引力が発表されます。
  6. その後も科学の大発見は続きます。原子・相対性理論量子力学・ワトソン/クリックのDNA二重らせん構造・素粒子等…

まとめ

科学も哲学も宗教も「どうしてだろう?」と疑問に思うことから研究・探究がスタートしますが、科学は数式で証明され、哲学は言葉で説明され、宗教は神が最終的な解決手段となります。

 

世界の捉え方は最初は宗教から始まりました。次に、考え探求することで哲学が始まりましたが近世まで長く自然科学も一緒に扱われていました。近世に入り科学が発達すると次第に哲学と科学は分化していきます。そして科学の発展に伴い哲学・宗教で語られる範囲は小さくなってきていきます。

 

ごく簡単にまとめると科学で証明されないものは哲学で思考され、哲学でも扱いきれないものは宗教において神様に助けてもらう、そんな構図でしょうか。

 

現代では科学が日進月歩で発展しているので、もう哲学も宗教もオワコンと思ってしまうかも知れません。でも我々の文明ではこの宇宙の20%しか理解できていないとも言われています。

 

 ■無からなんでビッグバンが始まったの?

 ■宇宙の外はどうなってるの?

 ■宇宙は誰が作ったの?

 

これらの究極の質問には科学や哲学は答える事ができません。もう神様に助けてもらうしかないですね(笑)。

 

この様に整理してみると科学・哲学・宗教が密接に関係していること、その存在意義や違いについて少しでも理解の一助になったなら嬉しい限りです。

 

                                     以上